#17. 第1章(第二節)「ホテル王と建設王とゲーム王」

日本のノア革命初期⑱ホテル王と建設王とゲーム王

2021年4月5日、「建設業界とホテル業界が反旗を翻す」

今日もまた、白田会長からラインが入っていた。「Zoomをするぞ」とたった一言だけである。Zoomに参加すると、多数の偉そうな人達の顔が勢揃いしていた。まさかの外人まで招待されている。白田会長がまず最初に口を開いた。

 

白田会長:「みなさん、お集り頂き感謝申し上げる。ここにいるみなさんは、建設業界とホテル業界の大物の人達ばかりじゃ。これから、東京と大阪、福岡にタケル君の描くエデンを作ろうと思っておる。至急エデンと言う名の城を築き、新世界ノアの革命家たちを守らなければならない。日本の大きな暴力団は全て解散し、新世界ノアの支持を表明しているが、反社会勢力は日本だけではない。チャイニーズマフィア、ロシアンマフィア、台湾マフィア、韓国マフィア、シシリアンマフィア、イタリアンマフィア、メキシカンマフィア・・・指定暴力団を失った政府は必ず海外の力を借りようとするはずじゃ。世界中のマフィアと組めば、その勢力は日本の暴力団の比ではない。10倍、20倍そんなレベルじゃ。政府は日本の暴力団が無くなったことで裏社会のバランスが崩れ、海外のマフィアが日本で勢力を拡大している。などいくらでも言い訳は出来る。海外マフィアなら、他の国が絡んでいるため壊滅することは不可能だと日本の暴力団よりもまともな存在理由を作ることが出来る。政権を握り、いくらでも金は生み出せるじゃから、それを使って暗殺の依頼はいくらでも出来る。現金を無くして、銀行を無くして、国民の預金口座を一つにでもしない限り、裏でいくらでも金を受け渡しできる。場合によっては、マフィアとの取引するために麻薬の密売も一部受け入れるかもしれんな。つまり、暴力団が無くなってもまだまだ、安全ではないということじゃ。これでは、革命を起こそうと行動している人たちに被害が次々に出れば、声を挙げられんくなるじゃろう。至急、皆さんに集まって頂いたのはそのためじゃ。」

 

千手武尊:「え、まだ政権を取っていないのにエデンを作れるのですか?もう、実現むけて踏み出していけるのですか?ちなみにですけど、エデンに住めるのはノアの革命者だけでしょうか?震災や豪雨の被災地の人達も希望者であれば、受け入れたいのですが・・・。」

 

白田会長:「それについてじゃが、新しい建造物を作るためにはかなりの予算がかかるじゃろう。それは、お前さんの国民への呼びかけにかかっとる。その声が、芸能人やアスリートにもすぐに広まるじゃろう。10兆くらいならすぐに集まるんじゃないかと思うんじゃがのう。お前さんの計算では10兆円で、約20万人分を受け入れる超高級ホテルが作れるんじゃろう。ただ、それには時間がかかりすぎる。今日ここに集まってもらった人間の中にはホテル王と呼ばれる日本の大手ホテル業界の大物がzoomに参加しておる。何も作らんでも都市にいくつも不動産を持っておるよ。

まずは、ホテル王の所有するホテルに新世界ノアの革命家の影響力のあるもんから順にすぐにでも住まわせる。まずはノアの革命家の命を守るのが最優先じゃ。新世界の実現が叶えば、震災や豪雨の被災者たちも全員助けることが出来る。それから、エデン内のホテルの完成に伴って震災や豪雨の被災者たちを受け入れ、政府が10年かかっても復興を果たせず助けることが出来なかった人達を全員受け入れ、半年で元の生活以上のものを提供するんじゃ。それと同時に、エデンを作ることによって新世界が実現した時の未来のイメージに近いものを発信していくことが出来る。これなら、どうじゃ。」

 

千手武尊:「被災地の方々の事も考えてくれているんですね!ありがとうございます。ところで、ホ、ホテル王の方々が集まっているのですか?革命を成功させるために、ずっと考えていたことがあります。僕も話させてもらってもいいですか?

資金の問題とはどうなっているのでしょうか?」

 

白田会長:「話したいことがあるんじゃったら、話したらええ。資金のことなら心配するな。新世界ノアの中心人物や幹部たちだけなら、何とか資金や用意できるじゃろう。お前さんの分はもう話はついておる。まずは、タケル君やその家族、親戚も身の危険があるならみんな住んだらええ。そこに、新世界ノアの重要人物をみんな集めて、守りを徹底的に固める。福岡のエデンは元新鮮組の近藤と精鋭部隊、東京のエデンは元新鮮組傘下の鳴門組と大幹部の生倉組、肘方組。大阪のエデンは鬼州組が周囲の警備をすることになっておる。

とりあえず、新世界ノアのホテルの受け入れに関して、帝王ホテルの代表取締役である定谷君から話してもらおうと思うとる。」

 

定谷英明社長:「みなさん、今紹介にあがった帝王ホテルの定谷英明と申します。私がホテルの代表して話をさせていただきます。まずは、ここに招待して下さりありがとうございました。白田会長と獅子王総裁のご尽力により、このzoomには、日本を代表するホテルだけではなく、世界のホテル王と呼ばれる方々もご参加されております。今から、参加していただいたホテルを紹介させていただきます。まずは、日本からライオンズホールディングス、リゾートビリーフ、ホテルオークロ、ニューオニタ、キングプリンスホテル、ロイヤルリゾートホテル、そして私どもの帝王ホテル。続いて、世界からマリアント・インターナショナル、ヒールトン、インターワールド、ウィンガロ・ホテル、ミュラトン、ハイモント・ホテル、リッツ・シャールトン、エルドアリゾーツ、フォーセンシズリゾート、どのホテルもホテル王と呼ばれるにふさわしい面々です。私からもこれだけの方々がお集り頂き、ありがたく思っております。建築業界の方々、大変申し訳ありませんが、しばらく話にお付き合いください。今後、新世界が出来ていく上で、ホテル業界の動きを知っていることは大変意味のあると確信しております。また、私たちは今後、新世界ノアの実現と共にホテル数を随時、増やしていく予定です。それを建築業界の方々に依頼するため、今後の良いお付き合いもあり、是非、聞いて頂きたいと思います。

さて、ホテル界や建築業界の大物がこれだけ集まったのは、白田会長と獅子王総裁の尽力もあるとは思いますが、それだけではないはずです。白田会長から新世界におけるホテルの位置づけに関して、みなさんも話を聞いたのではないかと思います。もし、新世界が実現すればホテル業界の市場規模は今の100倍や1000倍となるかもしれません。なぜなら、国民が家を持つことが出来ず、全ての国民がホテルや旅館などに毎日泊まることになるからです。今の世界では、国民生活において毎日ホテルや旅館に宿泊するというのは、国民の収支を考えると不可能です。しかし、新世界では国家予算のほとんどを使いホテルの宿泊費、建築費を捻出するため、これが可能となります。

ここにお集りの方々は、本当に国がこのような国家予算編成が可能なのかと疑問を抱いているかもしれません。そこで、日本の国家予算を踏まえて、どれくらいの資金がホテル業界に流れることになるのか説明したいと思います。みなさん、今から資料を画面に表示しますのでご覧ください。まず、現在の国家予算一般会計の割合を見てみると、社会保障に36兆円。地方交付税交付金16兆円。公共事業に7兆円。教育費に6兆円。防衛費に5兆円。国債23兆円。その他となっております。実際には社会保障地方交付税交付金、公共事業の中には医療が含まれ、医療費だけで40兆円を超えるとも言われているのです。このように一般公開されている国家予算の他に、特別会計が200~250兆円あると言われているのです。当然のことですが、今の政権下ではこれだけの予算のうち、ホテル業界への予算は割かれておりません。ホテルを建てる費用は企業が出し、宿泊費は国民の全額負担です。

 

ところが新世界の誕生によって、この予算編成が大きく変わります。

医療費や教育費、公共事業などの予算だけで65兆円程度あります。さらに、何に使われているのか分からない特別会計が200~250兆円。計算しやすいように300兆円としましょう。新世界ノアはこの300兆円を国民の生活費のために使うと言っています。新たな国民生活は家を持たずに、高級ホテルに泊まる。そして、毎日プロのシェフが作った食事を食べる。という国民の生活に使われます。さらに、その国民生活の根幹となるエデンやエデン内のホテルの建設にもこの300兆円が使われるのです。宿泊業や建築、食の分野に300兆円の国家予算が使われるとしたら、どれだけの市場規模になるか分かるでしょうか?ホテル業界に流れるお金は国家予算だけではありません。国民生活に国家予算が使われるために国民の生活負担が大きく減ることになります。追加でお金を支払って、贅沢をする国民がかなり増えることを考えるとホテル業界だけで200兆円の市場規模を超える可能性は十分にあると考えられます。それも、新世界ノアは全ての日本人がエデンに住めるようになるまで、予算を1000兆円にするとも言っています。

ちなみに今の日本のホテル業界の市場規模はたった2兆3000億円です。それが新世界ノアの世界が実現すれば市場規模が200兆円になるかもしれないのです。国民が家を持たず、毎日ホテルに泊まることを考えると十分にあり得る予測なのです。しかも、これは日本の市場規模だけです。今の世界のホテル業界の市場規模が21兆1000億円と言われていますので、世界中が新世界に変われば、世界のホテル業界の市場規模は100倍になったとして、2100兆円の市場規模になることが予想されます。

 

みなさん、国民からの信用を失っている今の政府側につき、ホテル業界の市場規模2兆3000億円を日本のホテルや外資系のホテルで取り合うのは、利口と言えるでしょうか?新世界ノアを支援して、新世界を実現することの方がここにいる、みなさんやホテル業界、宿泊業、観光業においてどれだけ、利益をもたらすでしょうか?

 

先日の暴力団解散の報道で、新世界を実現する声が一気に高まっています。危険を感じなくなったことで、民間企業が新世界ノアを実現しようと支援する流れがこれから間違いなく始まります。ホテル業界の市場規模が100倍になる可能性があるように、『新世界』と言う新たな分野の市場が作られたのです。そこに今後、大金な資金が流れることになります。ホテル業界も『新世界』という新たな分野の一つに過ぎません。ここに集まって頂いた、建築業界の方々も、かなり市場規模が増えることは間違いありません。今後、家が無くなり、エデンの建築を進めるわけですから、予想するに容易いのではないかと思います。

 

今日は、新世界におけるホテル業界の変革について私が説明しましたが、これは皆様も既に白田会長から予め話を聞いているのではないかと思います。そうでなければ、これだけの方々が集まることは考えられません。また、これだけの方々が集まっている今のこの状況が奇跡に近い。もう既に、世界は大きく動き出していると思います。

 

我が帝王ホテルは全力で新世界ノアを支援することを決めました。皆様も是非、新世界を実現に力を貸して頂きたいのです。そのお願いをするために今日このzoomに出席した次第です。

 

少し、長くなりましたが、私の方からの説明は以上となります。」

 

白田会長:「ありがとう定谷君、説明ご苦労じゃった。わしが言ったことが良くまとまっておる。ここにいる皆様方は、わしの説得で概ね承諾は得ておる。まぁ、この条件で今の政府についていくホテルは無かろう。

さて、これからどのようにして、新世界ノアを支援することにするのか。また、国が建てたホテルを運用する場合には利益をどのように分配するのかという取り決めを行いたいと思う。もちろん、ノアへの貢献度によって、新世界が誕生した後の利権の割合を決めようと思うのじゃが。」

 

千手武尊:「それだったら、是非、僕にアイデアを述べさせてください。この革命において、ホテルの協力のことは、ずっと考えていましたし、ライングループのメンバーとも話をしてきました。今から、すぐにでも新世界の世界を少しでも国民に体験してもらいたいと考えています。そのためには、どうしてもホテルの方々の力が必要なんです。だから、この場に呼ばれたことがこれ以上ないチャンスだと思っています。おそらく、皆さんの協力があれば、新世界は確実に実現できると思います。それくらい、この革命において重要な作戦です。なので、どうかノアの提案を前向きに検討して頂けると、本当に助かります。

 

エデンが無くても新世界ノアと出来るだけ同じ世界を再現しようと考えています。しかし、国家予算を動かせない今の状況において新世界を再現するために圧倒的に不足しているのが「資金」です。この資金を国民から引き出さなければなりません。しかし、どれだけ新世界ノアの世界を実現したいと考えていても、安心して資産を新世界ノアに預ける人はほとんどいないはずです。なぜなら、今まで、政府に搾取され、生活の支援をせずに民間から搾取され、働いても働いてもぎりぎりの生活をしていたからです。預金や資産を失ってはこの先、無事に生きていけるのか大きな不安を抱えてしまうはずです。だからこそ、ここを変えなければなりません。

 

国民が全ての資産を提供してもいいと思えるためにはどうすればいいか?

それは、「資産が無くても絶対的に生きていけることを保障する」ことです。

 

「最高レベルの生活を保障する」と言うのまでは、国家予算を動かせるようにならなければ、不可能です。しかし、「絶対に生きていけるという保障なら出来るはず」です。

 

まずはノアに出資してくれた人たちを優遇するためにノア会員のランクを付けます。それも、新世界ノアの実現のために資金の援助をたくさん行えば行うほど、より大きなサービスが受けられるようになります。

 

みなさん、今から資料を画面に表示します。ご覧になってください。」

 

「これが今のところ考えている、ランク分けです。

 

 

出資金額

ルームランク

永久割引

勲章

キング

100億円~

★★★★★★★★

月100万円~

最大50%

天竜

ロイヤル

10億円~

★★★★★★★

月80万円~

最大35%

 

エグゼクティブ

1億5000万円~

★★★★★★

月60万円~

最大25%

 

ダイヤモンド

7000万円~

★★★★★

月40万円~

最大20%

 

プラチナ

3000万円~

★★★★

月30万円~

最大15%

 

ゴールド

1000万円~

★★★

月20万円~

最大10%

 

シルバー

300万円~

★★

月15万円~

最大7%

 

ブロンズ

100万円~

~月15万円

最大5%

 

 

これはあくまでも新世界ノアが出来るまでの一時的なランク付けです。ただし、永久割引は新世界誕生後もそのまま残り、永久に割引が出来るという権利をつけたいと思います。それが、新世界ノアの誕生に貢献した人たちへの権利です。ただし、この権利の相続は不可能にします。ホテルの運営費も必要ですが、最初のエデンを建築するためにも出来るだけ早く資金を調達したいのです。国家予算が取れるようになれば、資金の心配はいらなくなるため、そこまでを凌がなければなりません。しかも、この方法なら、資金の問題を解決できるうえに新世界の体験を国民にしてもらうことが出来ます。」

 

白田会長:「ちょっといいか、タケルくん。すごくいいアイデアじゃないか・・・。わしは新世界ノアの中心人物と幹部を匿うつもりでホテル王と話をしておったのじゃが、いきなり新世界を望む人達を全てホテルで暮らせるようにするということじゃな。これがうまくいけば、新世界を体験できる人間が一気に増えることになるぞい。具体的な話を聞くまでは分からんが面白いではないか。

 

わしからも、この案にアイデアを出させてくれ。国民がすぐにでも出資してくれるように、少し工夫をしてはどうじゃ。革命をはじめから支援している人間と後半から寝返った人間と同じ扱いなのは、支援者もあまり納得せんじゃろ。そこでじゃ、ランク獲得に必要な出資金額を時間が経つごとに上げていくんじゃ。8月以降は5%UP、10月以降は8%OFF、12月以降は10%UP、それ以降は15%UPと言うのはどうじゃ?

それから、ホテルランクとはなんじゃ?全ての国民が最高クラスのホテルに泊まれるようにするんじゃろ?」

 

千手武尊:「ランク獲得に必要な出資金額を期間ごとに上げていくのは僕も賛成です。同じような事を僕も考えていました。それから、震災や豪雨災害に遭った被災者の方々は、反対に必要な出資金額の割合を下げることで調整したらいいと思います。ランク書く時に必要な出資金額を30~50%程度減らしたら良いのではないでしょうか。

ホテルランクに関して説明ですが、これは、あくまでも新世界ノアが誕生するまでのホテルランクです。全ての国民が最高クラスのホテルに泊まれるようにするためにはかなりの年月が必要になります。新世界ノアが国家予算を獲得できるまでは大きな保障は出来ません。そこで、『新世界ノア』と『ホテル』が負担し合い、資産が無くても絶対に生きていける保障を行います。

ここでのホテルランクとは、資金が全て無くなった場合、ノアの保障によって宿泊できるホテルのランクです。出資額が多いほど、お金が無くなってもハイクラスのホテルに泊まれるのです。新世界誕生後は永久割のみが適用されます。なぜなら、新世界誕生後はお金が無くても、最高クラスのホテルに宿泊できるからです。新世界では最高クラスのホテルしか建設しませんから。

 

ただし、お金が無くなった場合、新世界ノアの保障を受けて、無料でホテルに宿泊するためにはいくつかの条件をクリアしてもらいます。

 

①銀行口座はノアの口座のみにする

②衣服など最低限のもの以外の所有物を手放してもらう。所有の禁止。

③ブロンズランク以上(出資額100万円以上)であること。

 

ノアの口座残高が0になった時点で、獲得ランクに応じてノアと契約している世界中のホテルに無料で宿泊して食事もとることが出来るのです。家事などもホテルが全てやってくれるはずです。国民の負担は大きく減ることになります。出資額によって宿泊できるホテルや部屋が異なりますが『食』と『住』の完全なる保障です。最高クラスの生活保障とは程遠いですが、これをホテルと協力して実現したいと考えています。」

 

白田会長:「しかし、国家予算を動かせない現段階で、ノアが生活保護のようなことを始めたら、パンクするんじゃないか?生活保障を充てにして、貧困者が殺到するかもしれんぞい。」

 

千手武尊:「国民が出し惜しみすることなく、資産を手放すには絶対に生きていける保障くらいはしなければなりません。獲得ランクに応じた世界中のホテルに一生涯、無料で宿泊できる権利です。新世界に出資する人たちはかなりの人数になると思います。土地を含めた全ての資産を手放すことで、理想の都市開発が出来るようになります。いつまでも国民が自分勝手に土地を使用し続けていたら、その土地はその人だけのものとして独占されてしまいます。必要な土地をノアが取得し、エデンを作って国民や世界中のみんなで使うべきなんです。

確かに生活保障を目的で殺到すれば、ノアの負担が大きくなりすぎてしまいます。そのため、最低でも100万円の出資を条件にしています。1カ月10万円と考えれば、10カ月は負担なしで済みます。10カ月もあれば、国家予算の一部を獲得し、エデンの建築やホテルの宿泊費に回せると考えています。直接、業者に補助を与えるわけではなく、ホテルや食事をする補助として国民に与えるわけですから、多くの人達が納得するはずです。

また、新世界の実現を本当に望んでいる人たちは、生活保障が目的で100万円だけ支払って、ブロンズランクを獲得し、後は働かないというような人はほとんどいないと思います。新世界ノアが破綻して、何も無くなれば、その人物も途方に暮れることになるからです。おそらく、新世界ノアを実現させて、今よりいい暮らしを永遠に続けることが出来る選択をするはずです。

最悪、生活保障が目的でノアに出資する人たちが多いとしても、国の「生活保護」が申請が通るのではないかと思います。そもそも、最低限度の生活を営む権利は憲法で定められているはずです。最低限度のもの以外の所有物を全て手放しているのです。ノアの優秀な弁護団に「生活保護」申請をしてもらうよう頼みます。新世界ではいずれ、何も所有しなくても最高クラスの生活を保障するのです。「自己破産」や「生活保護」が国民を苦しめることはありません。国民の生活を支えようとしない政府から少しでも補助を受け取ることは何ら恥じることはありません。むしろ、国家予算を少しでも国民のために獲得することは、新世界ノアを実現のために大切な事です。議員や県知事は予算を獲得することも出来ますが、貧困者であっても額は小さいかもしれませんが、国家予算の一部を受け取れるのです。新世界ノアを実現するという目的が同じであれば、可能な限り、国から生活保護を貰うべきです。生活保護の受給金額は8~10万円程度はあるはずです。その一部をホテルの宿泊費に利用させてもらいます。それなら、長期戦になっても資金の問題は起こらないではないでしょうか。」

 

白田会長:「生活保護か・・・敵の資金を利用するわけか。なかなか面白いのう。政府がどう対応してくるかじゃのう。まぁ、やってみないと分からんのう。どちらにしても、今、新世界ノアの実現を望むものはかなり多い。莫大な資金が集まるのは間違いないじゃろ。それも、全ての資産を手放しても永久に世界中のホテルを無料で利用できるようにするという保障はかなり大きい。今の新世界ノアの財源で良くそこまでのぶっ飛んだアイデアが出たもんじゃ。あとは、その条件に乗ってくるホテルがどのくらいあるかじゃのう。

タケル君、新世界ノアに出資してホテルを利用する国民のメリットは十分伝わったが、今度はホテル側のメリットも教えてくれるか?ここにおる全てのホテル王を全て説き伏せてみろ。所有する全てのホテルをノアのために使いたいと言わせるんじゃ。」

 

千手武尊:「分かりました。精一杯、アピールさせてもらいます。

まずは、新世界ノアとホテルの双方の負担について、話させてください。永久割引は国家予算が取れるまでは、新世界ノアが半分、宿泊しているホテル側が半分負担するようにします。国家予算が取れるようになれば、その予算を永久割引に使いますので、新世界ノアが国家予算を確保できる金額に応じて、ホテル側の負担は減っていきます。最終的には国が全て負担します。新世界ノアへの出資者が多ければ多いほど、永久割引の額が増え、それは国が補償し、ホテルの利益になるのです。国が割引を補償するため、贅沢をする人が必ず増えるはずです。

もう一つの負担は、生活保障の負担です。利用者の預金残高が0になった場合、費用負担の半分を新世界ノアが残り半分をホテル側が負担してもらいます。ただし、こちらも国家予算が取れるようになれば、ホテル側の負担は徐々に減っていき、最終的には国が100%負担するようになります。

つまり、国家予算が獲得できるまで、『新世界ノア』と『ホテル』、『ホテルの利用者』で負担を分担することになります。ですので、出来るだけ早く新世界を実現させることが重要になってきます。

ここまでが、ホテル側の負担についての説明です。そしてここからが、新世界の実現に貢献した権利の話です。

 

まず1つ目は、ホテルという資産保有の許可です。新世界では所有の禁止があるため、原則的に資産を持つことが許されません。超富裕層のみ多額の税金を納めることによって、所有が許されます。通常なら資産や土地の大きさによってかなりの額の税金を支払わなければなりませんが、新世界の実現に貢献したホテルに関しては、この資産保有を認め無課税となるようにします。しかも、子孫への相続も可能にします。新世界において、相続可能な資産保有の権利はごく一部の人にしか与えられない貴重な権利です。ただし、保有しているホテル全てが無課税となるわけではなく、今回の新世界を実現する革命においてノア会員へ部屋を提供し続けたホテルが対象になります。一部の部屋だけの提供の場合は、この権利は与えられません。

ホテルの所有によって、大きく違いが出るのは収益です。新世界では次々に国の予算で豪華なホテルが建設されていきます。国の資金によって建てたホテルの収益は、売上の3割を国に納め、残りの7割をホテル側が受け取れるようになります。ですので、100%の利益を受け取ることが出来るホテルを保有しているのは大きな権利となるのです。そのホテルを改修して、より豪華なものに作り替えれば、大きな収益をもたらす資産へと変わります。

 

さらに、通常なら国の資金で建てたホテルを運用した場合は売り上げの70%しか受け取ることが出来ませんが、新世界を実現するための革命において、支援したホテルにおいては負担した金額に応じて、70%以上の収益を得られるような権利を与えることを考えています。まだ、正式には決まっていませんが、負担金が10億以上なら71%、30億以上なら72%、50億以上なら73%・・・1000億以上なら90%、2000億以上なら92%、5000億以上なら・・・95%の売り上げを受け取ることが出来るようにします。

 

ただし、国のお金で作ったホテルを運営できるかは、国民投票によって決まりますので、この権利が大きな利益をもたらすという断言は出来ません。ただし、ホテルを運営したことが無い一般の人達に比べれば、国民投票で運用の権利を獲得できる可能性は高いと思います。また、新世界を実現する革命において、最も負担金の多かった上位100位のホテルのランキングを公開し、どのホテルが新世界実現のために貢献したのか歴史書に残し、代々伝えていきたいと思っています。理想の世界を作るためにホテルが活躍したことを、後世に伝えることは人類にとって重要だと僕は思っています。これらがメリットになります。ホテル王の方々、いかがでしょうか?もっと良い提案はありますでしょうか?」

 

日本最大の売り上げを誇るライオンズホールディングスの仁藤大志社長が答えた。

仁藤社長「いや、十分すぎる条件だと思いますよ。新世界が誕生すれば、ホテル業界の市場規模が100倍になる可能性を考えれば、宿泊業界は間違いなく、新世界ノアの支持を行うでしょう。現政権では国家予算を一切この業界に与えてはくれませんでした。今回のコロナウイルス拡大によって、多少の補償はしてくれたものの破綻したホテルや旅館は少なくありません。新世界において、全ての国民がホテルや旅館で宿泊して生きていく生活スタイルに変化すれば、間違いなく宿泊業界の市場規模が激増することになるでしょう。

新世界ノアは世界を変えるために想像できないような莫大な額の資金が必要だと思います。それを分かっていますから、ノアが負担するということは考えていませんでしたよ。我々ホテル業界で負担し合って新世界ノアを支援するつもりでした。よし、決めました。我が社のライオンズホールディングスは全てのホテルを提供しましょう。資金が必要な時はいつでも言ってください。可能な限り支援させてもらいます。」

 

帝王ホテルの定谷英明社長もそれに続いた。

定谷英明社長:「我が社のホテルも全てのホテルを提供します。ここにお集りのみなさんはどうでしょうか?」

 

リゾートビリーフ、ホテルオークロード、ニューオニタ、ロイヤルリゾート、キングプリンスホテルの代表もまた、ほぼ全てのホテルを提供することをここで宣言した。

 

さらに外資系のホテルの中でも世界最高ホテルで知られるリッツ・シャールトンのCEOアルバート・ミラーは通訳を通じて、話を始めた。

「日本で大きな革命が始まったと聞きましたが、これほどにまでにホテル業界を激変させる革命は過去の歴史においても今後の歴史においても、もう二度とないでしょう。そして、ホテル業界にとっては全世界のホテルが協力してでも新世界を実現する価値があります。母国のアメリカでも同様の革命が起きればいいのですが、まだ、日本のように動き始めていません。何が何でも日本でこの革命を成功させて、母国アメリカ、さらには世界中の国々で新世界が実現するようにわが社も尽力いたしましょう。わが社も全てのホテルを新世界の革命者や支持する人々に提供します。日本だけでなく、わが社が保有する全てのホテルを開きましょう。そうすれば、新世界ノアの会員は日本だけではなく世界中のホテルを利用することが出来るようになるでしょう。それは、この新世界の革命を大きく前進させることに繋がるはずです。我が社に出来る最大限の支援をさせていただきます。」

 

リッツ・シャールトンのアルバートCEOがそういうと、同じく世界のホテル王であるヒールトンのCEOも新世界ノアへの支持を表明した。世界のホテル王たちもそれに続き、全てのホテルが支持を表明した。それもほとんど全てのホテルを新世界の革命を支援するために提供することを約束したのだった。

 

このホテルとの提携は簡単に説明すると「たった100万円の出資をすれば、新世界ノアに支援している世界中全てのホテルが生活を保障する」と言うものであった。確かに、100万円ではランクの低いホテルしか利用できないが1度100万円を支援するだけで、生涯生活を保障するというのはあまりにも大きな権利であった。おそらく、日本中の国民が所有する資産を売り飛ばしてでも、生涯ホテルに宿泊できる権利やプロのシェフが作った料理が食べられる権利を獲得するだろう。日本の政府が国家予算を使った保障よりも、遥かに魅力的な保障である。そして、何より新世界ノアへの出資は新世界を望む人々にとって、むしろ願ってもない協力依頼になるだろう。このホテルとの一大事業は、国民を巻き込んだ壮大なものになるはずである。国民は新世界ノアとホテル業界に生涯生活を保障してもらえる権利を手にすること同時に、新世界ノアとホテルと共存の道を選ぶことにもなる。もし、経営不振に陥り、ノアが破綻すれば全ての資産を失うだけでなく新世界の希望も絶たれてしまうのだ。ノアに出資した国民は一蓮托生、運命共同体となった。ノアに全てをかけた国民たちは必至の思いで、新世界の実現へ力を貸してくれるに違いない。僕らはそれに全力で応えなければならないんだ・・・。

 

Zoomを始めて、2時間ほどが経っていた、このzoomにはホテル業界だけではなく、日本の建設業界もまた参加していたのだった。世界中のホテル王たちが新世界ノアへの支援を目の当たりにして、世界が大きく変わっているのを感じていたのである。

 

僕は次に建設業界の人達と話をするために、次のように話した。流石に建設業界の大物ばかりを集めておいて、2時間も待たせるなんて不安で仕方がなかった。Zoomから離脱する人がいなかったことが奇跡だと思った。

 

千手武尊:「ホテル業界の方々、私たちの提案を受け入れて下さり、ありがとうございました。建設業界の方々を2時間も待たせていますので、建設業界の方々とも話をしたいと思っています。出来れば、ホテル業界の方々も話を聞いてもらいたいと思っています。今後、ホテルの需要はますます高まります。建設業界の方々との繋がりや情報、考えを知っておくことはとても重要だと思います。これだけの大物が集まることは、そうそうあることではありません。建設業界の方々との話が済んだ後は、互いに情報交換などの時間を設けたいと思いますので、最後までどうかお付き合いください。」

 

白田会長:「そうじゃな。時間の無いもんは退出しても構わないが、日本の建設業界の大物と繋がる良い機会じゃ。今後、ホテル業界の需要が高まれば、建設業界へ受注しなければならなくなることは目に見えちょる。結束を結ぶいい機会じゃ。今後のことを考えると残る価値は計り知れんと思うぞい。

それじゃあ、建設業界を代表して、大和建設の大和会長、建設業界における新世界ノアについて話してもらえるかのう。支持するとは聞いておったが詳しく教えてくれ。」

 

現在、単独で売上高が1兆円を超えるスーパーゼネコンと呼ばれる7社がある。大和建設、中村建設、貴島建設、清氷建設、大鳴建設、木森組、竹原工務店である。この7社とさらに中堅ゼネコンとして谷川コーポレーション、五条建設、当麻建設の姿があった。反官僚体制の実現に向けて密かに動いていた大和建設会長はそのゼネコンの中に燻る反乱の意志の同志たちの相談役としてゼネコンを束ねていたのであった。ここに招かれているのは会社の実権を握っている者たちではなく、官僚によって会社を乗っ取られた反乱分子の親玉たちであった。

 

大和会長:「今、白田会長から紹介された大和建設会長の大和桃之介じゃ。ゼネコンやその下請け会社の反官僚組織を束ねておる。」(・・・・続く)