16.「ノアの教典」 16章「『所有の欲求』~理想の世界を実現するための精神的成長~」

新世界では、「所有の禁止」によりお金以外の資産を持つことが許されていません。土地や家を含めて「所有の自由」が認められているのは、王族や天皇、一握りの大富豪だけの特権になっています。

 

所有をしようとするのは所有しなければ「不安な世界」であり「不利な世界」だからです。ノアの世界は家やお金、その他の生活用品を全て用意します。何も所有しなくても安心して暮らせる理想の世界です。全ての国民が本当に心の底からそう思える世界を実現しようとしなければ、「所有の禁止」は実現できません。

 

本当に理想の世界とはスマホ一つで安心して世界中を旅が出来、移住が出来ることです。

 

奪い合わない世界を実現するためには「所有を禁止」することが最も重要なのです。しかし、理想の世界を実現するために国民に理解してもらうのが最も難しい法律でもあります。所有することの問題点と所有しなくても満足できる生活を送れるための社会づくりについて学んでいきましょう。

 

まず1つ目は、「地球環境」の問題です。

 

東京大学名誉教授である山本良一氏は「人類に残された時間は20程度。それ以上、対策を引き延ばせば本当に手遅れになる」と述べています。国連組織でノーベル平和賞を受賞したIPCC最悪の場合はあと12ほどしか残されておらず、それが出来なければ、あらゆるものが崩れ去っていくだろう」とレポートを提出しました。

どちらも2018年に発表されたもので、2021年に始まったノア革命(別名ラグナロク)の時点で人類に残された時間は917と迫っていました。この時点で人類が滅亡するわけではありませんが、不可逆的なほどの環境破壊が進み人類の存続にとって致命的な状況になることは多くの学者の中で言われていたのです。その時、生まれた赤ちゃんは成人を迎える時には、地球が破壊され尽くした環境の中、人類の滅亡をただ茫然と見送るだけで手の打ちようがないという状況に陥っていたのです。このような重大な教育ですらも旧日本政府だけでなく世界中の政府がまともに行おうとしていませんでした。将来の人類滅亡よりも経済活動というお金儲けを優先し、それを変えようとしなかったからです。

経済主導の世界では人類が好き放題に限られた資源を使いつくし、温室効果ガスを排出し、人口は爆破的に増えていきました。

 

「所有の自由」が認められることで、本当に必要な生活用品でも、万が一に備えてストックを買っておき、家に貯めていることがあります。また、1970年代に起きたオイルショック時に人々はトイレットペーパーを買い占め、2020年に起きたコロナウイルス時にはティッシュやトイレットペーパー、マスク、うがい薬の買い占めを行いました。一部の人間は買い占めによって、商品価格を吊り上げ、利益を上げていた人もいれば必要な時に手に入れることが出来なくて困る人もいました。

さらに人々は生活していくために不必要なものまで自由に物を集めるようになります。ぬいぐるみ、おもちゃ、CD、パソコン、アイドルグッズ、プロスポーツチームのグッズ、ゲーム、芸術品・・・全て上げるとキリがありません。全ての人々が不必要に物を買い、所有しようとするのです。徹底的に断捨離を行い、本当に必要な物しか持っていない人はごく一部の人でした。

 不必要な物でも人々は所有しようとするために、商品が売れます。奪い合いをしないと生きていけない世界では、必死にお金儲けをしようとします。世界中の企業は大量生産を行い、様々な物を次々に作りだしたのです。店頭には商品の在庫が切れないように常に多めに仕入れて、あらゆるものが揃えられていました。世界のごみの量は年間2100億キロ、毎日55億キロのごみが生まれていたのです。2018年、世界銀行は「このまま対策を講じなければ、2048年には3兆4000億キロのごみに達する」と予測していました。「物を作る」「物を売る」「物を捨てる」のに莫大な資源とエネルギーを使ったのです。世界中の全ての人に「所有の自由」が認められていたため、世界の人口が増えれば増えるほど、地球環境の破壊スピードはますます加速していったのです。

 戦後の1950年には253200万人だった世界の人口は2020年にはおよそ3倍の約759469万人と増えていきました。地球環境の破壊規模は人類が誕生して約6500年分の破壊を1950年からの70年間が遥かに上回るとされています。地球の気温上昇スピードは急激に早まり、ある地域では雪が降らなくなり、森林は自然発火を起こし大規模な山火事を引き起こしました。北極や南極にある氷が溶け、海面が上昇し、多くの島国が沈没し、100年に1度の豪雨が毎年のように降り、被災地は増え続けていきました。多くの国々で異常気象が次々に起こっていたのです。2018年には、「地球の平均気温があと3上がれば、人類滅亡は避けられない」と多くの学者が唱えていました。その期間は残り10~20年で達すると予測されていたのです。つまり、人類に残された時間は2018年時点であと10~20年と言うわけです。

 

 「所有を禁止」すれば、この環境破壊をすぐに止めることが出来ます。新世界ノアが作った高級ホテルでは、不必要なものはほとんどありませんが、最高の生活を過ごせるように高品質なサービスが提供されています。国が国民に生きていくために必要な物を全て与えれば、人々は物を所有しなくても、全く問題がないのです。それも新世界では最低限度の生活ではなく、最高レベルの生活を国が提供しています。世界中の人々が物を所有できなくなれば、どれだけ物の生産を止めることが出来るのか、仕事を減らすことが出来るのか想像してみてください。反対に「所有の自由」が認められれば、世界がどうなるのか想像し比較してみてください。「所有の自由」によって人類が存続できない未来へと進んでいくのです。それはあなたの望む未来でしょうか?希望ある世界を未来に繋げていくために人類は「物を独占したいという強い欲」を乗り越えなければなりません。あなただけではないのです。この先、世界中の人々が所有の自由が認められてしまえば、世界は数十年で滅亡してしまいます。

 

 「所有の自由」はあなたが物を独占したいという欲求を満たしてくれます。アイドルの写真やグッズに囲まれた部屋、ディズニーの商品に囲まれた部屋、賞状やトロフィーだらけの部屋、パソコンには大量の写真や動画のデータ、あなたの趣味に合わせて家や部屋の中には欲求を満たし、癒しを与えてくれる物で溢れていました。しかし、所有の欲求を満たすのは最初だけでいつも囲まれていると、最初に手に入れた感動は無くなり、その環境が当たり前になってしまいます。そして、次から次に物も名誉も欲しがるのです。このような、一時的な欲求を満たすために、地球環境を壊し人類が存続できない世界にしてはいけません。

 

 アイドルの写真やグッズに囲まれたいのであれば、そういったサービスを受けられるエンターテイメントの施設があります。パソコンも当然、個人で所有は出来ません。必要な情報はスマホで見られますし、仕事で使う人にのみパソコンは与えられます。個人のパソコンではないため、著作権を侵害するようなデータの保存はほぼ完全に無くなりました。アニメやドラマ、映画、音楽などはパソコンでは視聴できないようになっています。エンターテイメントを提供する娯楽施設で視聴しなければなりません。また、ディズニーに囲まれた世界を作りたい人々は、国民投票による直接民主制で願いを叶えました。いくつかのエデンはディズニーとコラボを果たし、国から10兆ベリーの予算とディズニーの資本を合わせて街全体がディズニーに統一されたエデンが誕生しています。ディズニーを心から愛する人たちはそこに住むことが出来、夢のような世界で生きていくことが出来るのです。新世界ノアが誕生して以来、ディズニーは過去最高益を数十倍の規模で更新し続け、世界中の人々の希望によりエデン単位ではなく島全体の都市開発が行われ本当の意味でのディズニーランドが誕生しています。現在、そこに住みたいと夢見る人達が後を絶ちません。もちろん、ディズニーランドだけではなくて、USJが企画したエデンも人気を博しています。国民の意思次第で、所有ができなくてもあなたの望むもので囲まれた環境で生きていくことは可能です。そのためには、多くの人々の共感を得て、国や世界を動かさなければなりません。

 

今も世界中のどこかで人々の理想を実現したエデンが作られています。あなたが心から住みたいと思えるエデンが必ず作られるはずです。世界は誰のものでもありませんスマホ一つあれば、世界中のエデンへ旅をし、移住することが出来ます。人々はどんな世界が作られているか心をワクワクさせながら世界を探検しているのです。

 

次に二つ目は「戦争」の問題です。「所有の自由」こそが戦争の最大の原因になります。「所有の自由」が認められ、政府が国民の生活を保障せず、奪い合わせた結果、人々は必死に奪い合うことになります。土地も奪い合いの対象になることは例外ではありませんでした。国中の土地は人々によって奪いつくされ、理想的な都市開発は行われず、一部の民間企業がより儲かるように国家予算はどんどん使われていったのです。お金を儲けるためには、物を作りださなければなりません。大量生産が自由に許されていたため、地球の資源は次々に使われてしまいます。もっともっと稼ぐために他国の資源を奪おうとします。自由経済の下、国を超えて奪い合いが繰り広げられます。そして、国同士で争いになれば戦争になってしまうのです。

旧時代の戦争は当然このような単純な理由だけではありません。アメリカ政府は兵器を作る軍事企業と繋がり、戦争になればその企業に莫大な資産をもたらしていました。さらに、株や為替などの金融取引は情報次第で大きな利益を手にすることが出来、戦争に繋がるような地政学的リスクを利用して一部の人間は儲けていました。戦争になった場合には、情報を制していたものがリスクを回避し安全に莫大な資産を手にすることが出来たのです。また、世界中の国々が核兵器の設備である原子力発電所を所有し、核エネルギーの材料であるプルトニウムやウランの所有を認められていました。中国周辺にあるアメリカ率いる西側諸国の国々は、いつでも核兵器を作る準備があることを世界に示し、核の抑止力として、常に戦争と隣り合わせの平和を保ってきていたのです。中国への核包囲網を作ろうとする西側諸国とそれを阻止し、反対に戦力に加えようとする東側諸国との衝突のため長年に渡って戦争が引き起こされていました。原子力発電所が爆発すれば、広島や長崎に落とされた原爆の100倍以上の威力をもつ放射性物質が放出されます。核兵器の製造よりも原子力発電所が中国など東側諸国によって組織されたテロによって占領されるリスクを常に抱えていました。多くの映画や本ではその危険性を国民に伝えるよう呼び掛けていましたが、旧日本政府や他国の政府はそういった都合の悪い教育をさせないために、無駄な詰め込み教育をさせて情報過多にし、本当に重要なことを考える力を奪ったのでした。その危険性を本当に理解することなく、国民は電気を好きなだけ使い核兵器の開発に力を貸していたのです。

「所有の自由」を認め、政府によって国民の生活を助けない政治を行い税金で搾取すれば、物を奪い合い、お金を奪い合い、土地を奪い合い、家を奪い合う世界になります。旧時代の世界は奪う側と奪われる側に分かれる両極端な世界です。徹底的に奪われた人間は人としての尊厳を奪われ、生きていくことが苦しくなり自ら命を絶ってしまいます。旧日本政府が行っていた政治の下、年間の自殺者は2万人、自動車の死亡者は72年間の平均で8000人、行方不明者は8万人。殺人事件が74年間の平均が1万6000件。そんな世界は常に武力を使わない国内で戦争をしているようなものです。土地を奪い取り、自分の土地として独占しようとする考え方こそ、戦争の原点なのです。地球は誰のものでもないにも関わらず、土地を奪い合い独占する社会では、戦争を引き起こす心を多くの人々が当たり前のように持っています。権力者に国民が支配された世界では政府の教育によっていつでも国民を兵士に出来るのです。

 

次に三つ目は「治安」の問題です。

アメリカ政府は軍事企業と繋がりを持ち、軍事企業の利益をもたらす為に世界中の国々には兵器の製造をさせないようにし、兵器の製造を独占し、他国に武器を売ることで莫大な利益を手に入れたのです。また、軍事産業が儲かるように、アメリカでは銃の所有も認められていました。当時のアメリカの人口は3億3000万人に対して銃の所有数は2億7000万丁と言われ、ほとんどの人々が所有していたのです。その結果、毎年3万人を超える人々が銃が原因で命を落としていたのです。政治による教育次第で、銃の所有すらも国民は認めてしまいます。一部の人間のお金儲けのために、国民は危険と隣り合わせの生活を送っていたのです。

これは、銃の所有が認められた国だけの問題ですが、軍事企業と繋がることでこのような悲劇を招くのです。日本では「医療」と政治が繋がることによって、「自動車産業」や「スポーツ」などを利用して、国民の犠牲を払うことで一部の人間が莫大な利益を手にしています。政治との繋がりが何もかも悪の根源となります。

「所有の自由」によって国民の安全が脅かされるのはこれらの事だけではありません。旧日本では銃こそ所有を許されていませんでしたが、誰もが包丁やナイフを手に入れることが出来、簡単に火を起こせる商品やガソリンや灯油、ガスボンベなども購入でき、さらに毒殺出来る農薬や薬まで何でも手にすることが出来たのです。暴力団ややくざは銃を所持するだけでなく、死体処理が出来る設備をいくつも所有していました。現金を所有することが許されているため、強盗や恐喝が起きてしまいます。「所有の自由」があるからこそ、奪い合いとなり、万引きや詐欺が引き起こされます。遺産相続の問題も起こります。さらに、搾取政治を行う国では奪われる側に回った人間のなかには、苦しい生活に耐えられずに自殺をしたり犯罪に手を染める場合もあります。

「所有の自由」は治安を著しく悪化させる大きな要因になるのです。旧日本政府が実権を握っていた時の、裁判所に出された提訴の数は年間360万件ほどで毎日約1万件の訴訟が起きていました。一般的な国民にとっても裁判沙汰に巻き込まれることは他人事ではなかったのです。

 

「地球環境の破壊」、「戦争」、「治安の悪化」・・・考えれば、まだまだ問題点は出てくるはずです。それでも、あなたは所有の欲求が抑えられず、何かを独占したい気持ちの方が強いですか?これらの大きな問題と個人の欲求に比べれば、我慢できるのではないでしょうか?もしかしたら、我慢する必要も無いかもしれません。ディズニーランドのように夢のような世界に囲まれた世界に住むことですらも、国民投票による直接民主制で現実にしたのです。理想の世界は「所有を禁止」にしなければ、絶対に手に入れることは出来ません。

 

 世界は誰のものでもありません。世界中の人々のものです。奪い合うのではなく、分け合ってみんなで使えばいいのです。

 

所有しなければ、人は本当の幸せを手に入れることが出来ます。

国民の生活を助けず、何もかも国民から奪い取り、奪い合いの世界を作っている政治の下では、所有しなければ不安なのかもしれません。所有しなければ生きていけないかもしれません。しかし、もし、そのような時代が再び訪れたのなら、その政治こそ国民の力を合わせ、すぐに変えなければならない最も重要な事です。

 

 新世界ノアではスマホ一つで、世界中を自由に旅をし、最高の場所を見つけて移住し、生きていくことができます。ノアが描いた理想郷は実現されたのです。この理想郷がいつまでも強欲な権力者によって壊されないように、世界中の人々に伝え、学び合ってください。